就職(12月)-3
緊急事態宣言下の霞が関は人気が無く閑散としていた。
しかし、地下鉄は、座れるほどすいてはいるが、通常どおり営業していて、
面接も予定通り実施された。
もちろん中央省庁に入るには、守衛に面接に来た事情を話した上で入館すると
いう、これはいつものことだが緊張感が漂う空間ではあった。
IT出身で、非エンジニアというねらい目に官庁を選ぶのは、行政のIT化は
専門家が内部にいないために外部のIT企業に依存せざるを得ず、その間に
IT企業と交渉できる程度の知識を持った事務屋が介在するのではないかという読み
もあったからだ。
面接はほとんど順調に進み、二次のより上級の官僚による最終段階で、この状況下で
面接を実施せざるを得ない事の説明と謝罪を踏まえ、専門的というより、心構えを
確認するような質問が続く。
その中で、公務員としての留意しなければ行けない事について聞かれたのに対して
、本当は国民への奉仕や、税金で雇用されている故の公平性や、行政のデジタル化への
理想をい語ればよかったのだが、仕事である限り前職と特に異なるとは感じませんと
言ってしまった。
この言葉のせいかどうかはわからないが、残念な結果となってしまった。
またしばらく落ち込んだせいか日記にはこの事の記録が無く、ほぼ記憶に頼って
この部分は書いている。
日比谷公園、銀座をとおり有楽町から帰った時の、異様な静けさは良く覚えているが。