調査・研究(11月)-3

日本におけるITの軽視が、日本の衰退につながった。

この事を確認するがために図書館に通い、関係ある本を読み漁る事を始めた。

まず、日本社会の衰退に関する最新の著作を探した。

これは、新しいものでなくてはならないので、図書館ではなく、本屋で探した。

この中で、ITがどう取り上げられているかを確認したかった。

金子勝;「平成経済衰退の本質」)

やはり、ITは一つの要素としては、取り上げられていたが、他の要因、例えば

少子化、格差、産業政策、雇用、金融など多くの要素の一つとしてであり、また

ITの専門家ではないので、日本の衰退との関連付けは自分としては、もう少し

書かれている事を期待していた。

 このところ日本の衰退らういは停滞を取り上げた出版は目立ちだしており

他に立場の違うもう一冊を購入して比較した。

野口悠紀雄;「平成はなぜ失敗したのか」)

 いづれも深く納得させられたが、このように社会全体を俯瞰できる方には、ITの世界とは少し遠い位置におられる気がした。

 これ以降は、そんなに多くの本を購入できないので、主として図書館にシフトして

関連した書籍を探していった。

 図書館で最初に探して目についたのは、ITを社会学の立場からどう理論づけているかという観点で書かれた一冊だった。(公文俊平;「情報社会学序説」)

 →新たな産業革命としての位置づけ

 また、公的な立場から、事実は何かどう位置付けられているかという観点から参考になったのは「情報通信白書」であった。

 その後、読んでもなお最初の疑問に回答が得られない中、次々に普段ではまず読まないような論文に近い本も、読み進み、要点をメモにとっていった。

 ・「失われた10年は乗り越えられたか」下川浩一

   →製造業を中心に言及されているが、その中にITも含めている

 ・「IT全史」中野明

   →通信を含めた世界史的な流れ(やはり産業革命との関連)

 ・「日本経済の生産性革新」宮川努 2005

  「情報技術革新と日本経済」西村清彦、峰滝和典 2004

 ・「人工知能は日本経済を復活させるか」柳川範之 2017

 ・「日本経済競争力の構想」安藤晴彦、本橋一之 2002

 ・「文系でもわかる人工知能ビジネス」EYアドバイザリー 2016

 ・「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」河鐘基 2017

 ・「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」小林雅一 2015

 ・「よくわかる情報システム&IT業界」新井進 2003

 ・「ソフトウェアビジネスの競争力」ソフトウェア産業研究会 2005

 ・「ITという怪物」常見陽平、今野春貴 2013

 ・「クラウド化とビッグデータ活用はなぜ進まないのか」柴田英寿 2012

 ・「新所得倍増論」デービット・アトキンソン 2016

 ・「新生産性立国論」デービット・アトキンソン 2018

 ・「ITに巨額投資はもう必要ない」新生銀行Jメソッドチーム 2011

 ・「ソフトウェア最前線」前川徹 2004

 ・日経ビジネス10/7目覚めるニッポン

 ・「ソフトウェア社会のゆくえ」玉井哲雄 2012

 ・「アップル・グーグル・マイクロソフト」国嶋祐史 2010

 ・「アップルとグーグル」小川浩 林信行 2008

 ・日経ビジネス12/16 ビルエモット

 ・「アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略」雨宮寛二 2012

 ・「マイクロソフト 再始動する最強企業」土坂徹 2018

 ・「ITコンサルティングの基本」克元亮 2009

 ・「プログラミング教育はいらない」国嶋祐史 2019

 ・「ソフトウェアを他人に作らせる日本、自分で作る米国」谷島寛之 2013

 ・「社長が知りたいIT50の真実」矢島寛之 2016

 ・「学校にコンピュータは必要か」教室へのIT投資への疑問 L・キューバン 2004

 ・「間違いだらけのシステム開発」ウルシステム 2006

 ・「日本のマクロ経済政策」熊倉正修 2019

 ・「よみがえれ中小企業」藤利彦 2001

 ・「ITシステム開発はなぜ失敗するのか」日下ヤスユキ 2015

 ・「プロジェクトはなぜ失敗するのか」伊藤健太郎 2003

 ・「甦るIT投資」NTTデータビジネスコンサルティング 2006

 ・「日本は世界一の政府資産大国」高橋洋一 2013

 ・「電子自治体」井熊均 2001

 ・「電子自治体実践の手引き」榎並利博 2007

 ・「国運の分岐点」デービット・アトキンソン 2019

 ・「日本人の勝算」デービット・アトキンソン 2019

 ・「ITケーパビリティー国領二郎 2004

 ・「官僚たちのアベノミクス軽部謙介 2018

 ・日経コンピュータ9/17 これが日本のDX

 ・日経ビジネス9/21 脱デジタル後進国

 ・日経コンピュータ10/1 ロボット共生社会

 ・「働き方の問題地図」沢渡あまね 2018

 ・日経コンピュータ10/29 デジタル敗戦からの復興

 

これが2019年4月から2020年10月までに、主に図書館で読んだ関連本の一覧だ。

徐々にあるいは、一時的な傾向として読む本の傾向が変わっていくのが後から

みればわかる。

最初は純粋に、真実を求めて読み進んだ。

生産性がキーワードかと思ったり、自分としては知識が不足しているソフトウェア開発の現場に関する知識を求めた。

そのうち、日本が遅れたとする相手、アメリカの何が進んだのかと考え、いわゆる

GAFAの事を深く知りたいと考えた。

その中に、自分の就職が絡み、就職あるいは求職先の自治体、教育関連、コンサル

関連の本は随分挟まっておる。

生産性という観点においてITにも言及していたデービット・アトキンソンさんの

本は、現在、随分注目されているがITに関する見方も賛同できる部分が多かった。

その延長線上で、日本の借金や財政にも関心を持った。

自分のIT知識を磨き、現状からも乖離しないために日経コンピュータや日系ビジネスはかかさず見ていた。

一見場当たり的で関連が薄いように見えるそれぞれの本がどこかでつながっているような気がしていた。

自分の中で何かつなげようとしていたという言い方が適切かもしれない。

これらのつながりをいったんどこかでまとめなければならない。

無駄になってしまうと考えたのは19年の10月後半になってからだった。