調査・研究(11月)-4
図書館で読み進んだ多くの本。
関連がなさそうでありそうな記憶を書き残した読書メモから読み解く。
まとめるにあたってまず全体の構成を考える。
まず、(1)現状把握がきて(2)次に分析する。いいかえれば現状がどうして
こうなったかの原因を探る。さらに(3)解決策の提起にいたれば完成。
そこにどう自分なりの色(個性)をつけるか。
大きく、くくってしまえば世の中に似たような分析はあるかもしれない。
自分じゃなきゃできない見方、考え方はどうすればなりたつのか。
一つは、自分の体験がベースになっている事。
いまだから、ITを論じる人は山ほどいるだろう。
でも、40年前からの実体験を持っている人は少ないだろう。
社会や技術を論じる人が大所高所から考えを述べる事はあっても、現場から
40年眺める景色は誰でもが見えてるわけじゃないだろう。
特に理系の人が多い現場で文系の視点も珍しいと考えた。
文系の見方というのであれば、ITを使ったビジネス成功例など浅い認識ではなく
またITだけを見るのではなく、自分なりの哲学を持ち、社会や人間の幸せ、未来を
見ている事、経済や社会まで関連を探り、ITだけでない技術全般まで見据えた
日本だけでなく世界まで視野を広げた見方が重要だと思う。
そしてこれは願望だけれど、冷たい現実の分析だけでなく、救いや未来への希望を
感じるものでなければならない。
次に留意すべき事も整理した。
自分に足りないであろう事、及ばない部分をどう補うかだ。
開発の現場は40年前しか経験が無く、現在どうなっているかは知識からしかわからない事。(私の経験したCOBOLの世界から言語だけでも大きく変化している)
AIなど最新の動向がわからず、自分の見てきたものがすでに終わったステージでもある事を考えると、そういったたぐいの知識の補充はかかせない。
図書館で読んだ様々の本も、多くは2005年ごろのIT革命が注目された頃に書かれたものが多い。
現在、同じ著者はどう考えているか、新しい著作などをフォローする事も必要だ。
また単に知識を補充するのではなく、自分なりの見方の延長上に、そういった新しいものをきちんと理解し、位置付けていかなければ説得力を失うだろう。
読者に多くの立場の人を想定した場合、様々の角度から、整理してみないと他人に伝わらない一人よがりの狭い角度から見た見方になってしまう。
まとめるステップごとにさらに考えてみると
(1)現状把握
どこまで現状把握の範囲を広げるかによって、分析の幅も変わってくる。
ITに特化して深堀するか、周辺の技術や産業まで広げてみるか。
例えば金融など、ITの影響を受ける社会との絡み、IT軽視の原因に絡む
コスト削減などとの関連も検討しなければならない。
社会の貧困や、格差、雇用や少子化などへの言及も必要だが、あまり広げると
内容が薄まってしまい散漫になる。
日本を中心に見るか、グローバルに見るか、世界のどの地域を見るかによっても
内容に変化が出てくる。
時系列で言えば、現状だけでなく、このままいけばどうなるかという
予測、未来に関わるところまで広げるか、分析に関わるかもしれない過去に
遡るかも考えどころだ。
ただ、原因の一つとしてITへの絞り込みは良しとして、結果である日本の停滞
はもっと広い概念であり、読む人の事を考えると全体から俯瞰するような入り方
が望ましい。
また現状把握としては、全体を構成する個々の要素の認識が、正確であるか
思い込みの産物かを吟味しなければならない。
(2)分析
すでに頭の中に断片的に存在する原因群を、下記の枠組みで整理、検証する。
原因の広がりだけでなく、階層的な関係、いわば深さでもとらえる。
①IT軽視を日本経済の失敗の構造全体の中で位置づける。
時系列(80年代の絶頂期から現在までの間)で縦軸として意識する。
横軸としては、IT以外の技術、科学、産業全般の中で位置づける。
日本だけでなく世界(特にアメリカ、韓国との比較)でもとらえる。
大きな流れとしては、IT革命への日本の乗り遅れととらえる。
②IT産業が発展しなかった理由
ITの失敗は2つのセクションに分けて分析し相互の関連性も整理
しておく。
一つはこのセクションで「IT産業」を、もう一つは次のセクションで
「一般企業でのIT利活用」に分けて分析する。
「IT産業」はさらに
a)製造業としてのIT産業と(コンピュータや周辺の電子機器)と
b)ITサービスに分かれるが、ここではb)の分析を中心とする。
※製造業の分析は私の及ぶところではないし、他に多くの研究事例がある
と考えられる。(ただし関連がある部分について言及する事はある)
③一般企業でのIT活用が進まなかった事の分析
自分がいた現場であり、ある程度考えてきた範囲である。
ただ、②「IT産業」との関連は十分考えなければならない。
さらに、IT開発、利用ともに高度IT人材の供給という意味で
教育の影響は大きい、自分が関与してきた分野でもある。
他に政府の政策や、さらに深い背景にある日本人、日本文化も考えざるを得ない。
以上を踏まえて、ここまで読み込んだ知識や自分の中にある考えを
一旦まとめてみようと思う。
(3)解決策
一旦(2)の分析までをまとめた上で、この先でまとめる事とする。
⇒(1)現状把握と(2)分析の要素(キーワード)を一旦A3の紙に羅列し
その関係を線で結び図にする事で、整理し文章に構成したものを自分
の研究の骨格として次のブログにまとめてみる。